チャマテック講義シリーズ:熱と仕事(第1回)

(その1) 東日本大震災で原子力発電所の発電停止に追い込まれるという悲劇を目の当たりにして、どの新聞もテレビニュースも省エネを叫ぶ。 1970年代のオイルショック以来、常に言われてきたが、のど元過ぎれば・・・とならぬように。 省エネを考えるなら熱と仕事の関係ぐらいは、事務系・技術系を問わずしっておこう。 チャマテックでは、Charming Machine Technologyの名の通り、模擬エネルギー利用装置を作って説明するようにしている。
熱力学などというと、そのことで嫌になる技術者も少なくないのは実情だが、これを知らないでいると、省エネは一日の電気量がどれだけ減ったかに一喜一憂するだけで、テレビのコマーシャルに出る俳優のようなもので、おもしろくもない。 なぜ熱力学が判らないというのか。 それは、法則や定義などをわかりやすく説明しようと努力した学者たちの説明が、語学力と表現力に乏しく、わざとと思えるほど理解しがたい表現だからか? 熱力学は単純である。温度と圧力と容積の3つの変数で事足りるから。
これら3つの変数もいたって感覚的、経験的に定義されたものである。 わかりにくい代表であるエンタルピ、エントロピもこれら3つの変数から計算するものである。 それでは、これから手作りの蒸気機関モデルを使って、チャーミングな説明を試みてみる。

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